日本短編映画「BAKEMONO」

主演ハル役:OBAの想い

「生死の中道を歩む主人公を通じ、究極的な和の精神を表現する。それこそが、今の僕に与えられた使命だと思う。」

「BAKEMONO」。ハル。彼は、〝死〟と向き合うことにより〝今〟を〝生〟きた男。
日本には、「曖昧」という言葉に代表されるように、白黒ハッキリつけない文化がある。善と悪。Yes or No 。二極化し白黒ハッキリつけることを良しとする現代においては否定される場合が多いと感じます。
しかし、僕は、その文化にこそ光を感じています。なぜなら、「曖昧」とは、〝和〟を意味していると思うからです。白でもなく、黒でもなく、グレー。その本来の意味は、白も黒も第三者的に理解し調和することではないだろうかと思うのです。
戦争は、二極化の代表例だと思っています。現代の日本にあっては、「曖昧」即ち「調和」という名の第三者的な視点が、これまで以上に必要であると感じざるをえません。
ハルは、生と死の中道に、”今”を置いているのだと思います。現代の死生観では、一般的に「生がポジ」で「死がネガ」としていますが、これもまた本来は二極化しえないものではないでしょうか。本来はひとつのものであり、生きているということは、必ず死ぬということである。どちらを善とし悪とするかなど、本来は有り得ない。その生と死の第三者が、〝今〟だと思います。今をどう生き、死すか。生と死は本来、今をもって調和される。今を生きることは究極、今に死すことをも受け入れている姿勢なのではないかと思います。日本が誇る武士道は、その姿勢を語るものであって、殺傷をもって勝ち負けという二極化を目指しているものではないと僕は考えます。和の精神性の究極的な在り方、生と死の狭間をもって今を生きた武士たち。

BAKEMONO ハルを通して、その究極的な和の精神を表現する。それが今、僕に託された使命です。

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